本来の猫のライフスタイル

猫のストレスサイン

ストレスになりやすい環境

ストレスリスクチェック

猫の習性 執筆・監修 藤井仁美先生

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猫のストレスを理解するために、まず主な猫の習性を知りましょう。

猫の習性1 本来単独で行動

本来の猫は、犬と違って群れを作らず、単独で獲物を捕まえて食べるという生活をします。現代の人と暮らしている猫は、家に食べ物が豊富にあるなどのメリットがあるので、グループで生活することもあります。そのため、自分の血縁や信頼できる動物(人間や猫、犬など)とは仲良くすることができるのです。

単独で生活する場合、自分の力だけで生きていくために必要なものを確保し、自分の身を守らなくてはいけません。そのため、猫は自分が安心して飲食や排泄、休息ができて、いざというときに隠れることができる縄張りをとても大切に思っています。

そのため、安心できる縄張りがなかったり、縄張りから離れてしまう状況や、縄張り内に怖いものがあったり、何者かに荒らされる危険があったりすると、猫は強いストレスを感じてしまうのです。

他の動物へ自分の縄張りを主張するために、猫はマーキング(匂いつけ)をします。このマーキング行動には、顔や体から分泌されるフェロモンをこすりつけるものや、自分の尿や便の匂いをつけるものがあります。

本来単独で生活をする猫にとって、争うことで自分が傷ついてしまうことは生きていく上で致命傷になります。そのため、できるだけ争いを避けるために、恐怖や攻撃性といった相手をどこかへ追いやる表現が派手で、自分の匂いを残すことも大切なコミュニケーション方法となっています。一方で猫は犬に比べると、群れの仲間同士で直接的にコミュニケーションをとることが少ないので、体や顔、声を使ったコミュニケーションは地味で少ないのが特徴です。

人は猫の地味な表現や匂いによるコミュニケーションを正しく理解できないことが多く、つい猫の気持ちを誤解したり、擬人化したりして考えてしまいがちです。

さらに、単独生活では相手に弱みを見せればいつ攻撃されてしまうかわからないので、猫はどんなに具合が悪かったりストレスを感じたりしていても、それを隠してじっと我慢してしまうことが多く、飼い主さんは病気のサインを見逃してしまうことがあります。

猫は匂いや音にとても敏感です。これは見知らぬ怪しい動物や状況を避け、自分の身を守るために備わった能力です。普段暮らし慣れている環境であればよいですが、少しでも違う匂いや音を感知した場合には、警戒心とストレスを感じやすくなります。

猫は汚れやほこりを落として被毛を清潔に保つために、よく自分の体をなめます。また、猫は犬に比べるとあまり匂いがしません。さらに清潔な状態のトイレを好み、排泄物は丁寧に砂をかぶせて隠します。これらは猫が単独で生活をするために欠かせない習性です。隠れている場所を気づかれないようにするために匂いを消し、病気にならないために清潔を保っているのです。

そのため、汚れていたり、ほかの猫の排泄物の匂いが残っていたりするトイレは、猫にとって非常に不快です。人の何倍も嗅覚が優れている猫は、少しでもトイレが不快な匂いがすると排泄を我慢してしまう傾向があります。

猫の習性6 学習する動物

猫は自分の経験からいろんなことを学習できる動物です。具体的には、自分にとって得か損か、安全か危険かで判断し、学習し、行動します。自分にとって得なこと、よいことが起きることを繰り返し経験すれば、最初はストレスに思っていた状況でも、だんだん慣れてきて、むしろ好きな状況になることがあります。

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